歴史的町並みと集落・再訪


「高山の町並み」(2009年3月28日)
 3月28日(土)の「世界遺産は地域遺産」と題して講演に伺った際、2年ぶりに上三之町、二之町など重要伝統的建造物群保存地区を町並み保存の先駆者である小林 浩様と散策いたしました。相変わらずたくさんの観光客で賑わっている様子はさすがです。落ち着いた町屋のたたずまいは都の風情が漂います。しかし、観光客を意識したみやげもの店が増加。一部は伝統的建造物でありながら内部に改造を施し、本来の持ち味を損なう事例を見つけて残念でした。
 品格あるまちづくりを進めて来た高山は、町並み保存の老舗です。将来にわたりこの道のリーダーであって欲しいと切に願うばかりであります。

賑わう上三之町
 
 

町を愛する人の生活を体感するなら
人通りの少ない朝か夕方がお勧め
その1

町を愛する人の生活を体感するなら
人通りの少ない朝か夕方がお勧め
その2

二之町の品格ある町並みに心なごむ
 
 

高山の町並み保存に命を賭けた達人を記念撮影
小林 浩様(元高山市文化財課長)
大野次郎様(建築家)、私

町並み保存地区に配慮した自販機

コンビニのファミリーマートも看板を工夫

保存地区にある医院の看板

伝統的建造物ながら内部を改造した事例

町並み保存地区が禁煙になった

「善光寺西街道・稲荷山宿」(2009年3月5日)
 善光寺への街道の宿場町として栄えた稲荷山宿には豪壮な蔵造の町屋が並ぶ。江戸期の大火で宿が全焼したことにより漆喰で塗り籠めた町屋や商家が建てられた。
 大規模な宿場の中ほどは鍵の手状に街道が折れ曲がり当時のおもかげを色濃く残している。町並みの続く正面に冠着山を望む景観は素晴らしい。
 今日、市民や行政が力を合わせて歴史的町並みを保存・活用する動きが始まった。

町並みの前方に冠着山を望む
 

格子が美しい町屋


豪壮な蔵造りの町屋
 

矢島宏雄さん(千曲市文化財係長)と
高村隆徳さん(建築家)(龍洞院にて)

中央本線・篠ノ井線で活躍した
D51形1001号。体育館前に展示

「こみせの町並み」(青森県黒石市・2009年2月23日)
「こみせ」とは、現代版のアーケードとも言える便利な空間で、黒石市中町・前町でみられる。
「こみせ」は3尺(約90cm)ほどの幅の敷地で各町屋の表側に沿って連続してしつらえられている。夏場の日差し、冬場の風雪を防ぎ安全に通行することが出来る。まさに地域遺産である。
前職時に重要伝統的建造物群保存地区に向けた調査にかかわっている。冬場に訪れることで、「こみせ」の効力を初めて実感することが出来て喜ばしかった。

「こみせ」が続くの中町の町並み

雪は「こみせ」中まで入り込む

豪雪に耐える「こみせ」と町屋

晴れ間が見えれば雪かきに忙しい

氷柱が冬の厳しさを物語る

長崎県(2009年2月6日)
島原の町並みと武家屋敷
森岳商店街の町並み

かつて調査で訪れた。
登録有形文化財や長崎県景観資産となり
整備されていた。調査の成果が実り感動。
床屋が喫茶店に衣替え(登録有形文化財)

力を合わせて調査を行った
松阪昌應さんと偶然出会う。
名物の寒ざらしは美味。
観光資源の武家屋敷

用水路が渋い
 

 

町屋が地域の皆様の憩いの場になった
 

 

2階は展示空間として活用
 
 

雲仙市神代小路の武家屋敷(重要伝統的建造物群保存地区)

 品格ある武家屋敷のたたずまいが美しい 
 

 保存会事務局長の帆足さんと偶然に出会う 
お互い元気で笑顔の再開に感謝

美しい石積みと竹の生垣が印象的
 

長崎市東山手洋館群(重要伝統的建造物群保存地区・2008年11月再訪)
 オランダ坂を登っていて友人の事を思い出した。東山手の洋館群を目の前にしてその友人に電話をかけた。「今、長崎」との僕の声に友人も「今、長崎・これから五島に帰る」と。まさに「以心伝心」。彼は、長崎の伝統的建造物群の保存に命をかけた。走りまわり専門家、市民、行政の心を一つにした。
今日、南・東山手の歴史的環境が保全され結果として長崎の顔になり、優れた観光資源になった。

急坂、石畳、洋館は山の斜面に建つ
 

洋館だが何処か和風
瓦屋根がいぶし銀のようだ

高層住宅のラッシュで
窓からも道からも海は望めない

洋館のテラスは程よい安らぎの空間
 

洋館めぐりと坂道はセット
行きも帰りもまたまた坂